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HupunHap

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2010.10.06 Wed 「 やだよ未選択

彼のオヤスミで眠って
彼のオハヨウで目覚める。


抱きしめてくれて、分けてくれた体温で
かろうじて私は生きていられる。

でもすぐに冷えて、寒くなってしまうから
また貪欲に求めてしまう。

ごめんね。
許してね。

今はこうするしかないの。

だってもう独りはいやだよ。
ずっと抱きしめて、ずっと名前呼んで、ずっと、傍にいて。

嘘でもいい。
投影でもいいから。



ずっと今まで、ひとりでやってきたのに
彼が優しくて、あったかいから、甘えずにいられない。

メールが途切れると息苦しくなる。
まるで依存症だ。


誰かを安定剤代わりにしちゃいけない。
そんなこともう随分昔に知ったはずなのに
もうきっと簡単には戻れないところまで来てしまった。


いやだよ。
いなくならないで。

こわいよ。
もぅ独りぼっちはいやなんだよ。



でもきっといつか
近いうちいつか
またあたしは独りになる。


こわいよ。
いっそ消えてしまいたいよ。


会いたい人がいて
欲しいものがあっても

それはもぅこの世界にはなくて


あたしが欲しいものは全部消えて行ってしまった。



あたしも連れてって。
おいてかないで。

一緒につれてって。


ちょっとくらい痛くても、大丈夫だから。
それなら頑張れるから。
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2010.10.03 Sun 「 たいおん未選択

今日で最後。
そう思って出かけた昨日。


もう秋。
出会ってから4ヶ月ほどたっていた。

冷たい風が気持ち良く吹く。
湖岸で線香花火をした。

距離が近かったけど、
めずらしく拒否反応は出なかった。


花火が終わって
空を見上げる。

彼が流れ星を見つける。

私の見上げた空には星は流れずに
都会よりも深い空にはいくつか星が浮かんでいた。


彼はふらふらと、
立ったり座ったり、空を眺めた。

私は座って空を見上げた。


いっこうに星は流れず、
この間いってしまった人に心で尋ねた。


ねぇ、私まだ成長できずに
こんな関係続けたりしてどうしようもないよ。って。

流れ星が見たいのに
でもきっとあなたはそんなご褒美くれないね。って。

ぎゅうっとなって
鼻がツンとして
でもやっぱり涙は出なかった。


ぐずりだした私に気がついて、
彼は私の傍にしゃがんだ。

冷えた私の右手を両手ではさんで
「手ぇ、冷たいなあ」ってぎゅうっとした。

彼の体温がじんわり私に溶け込んでくる。
騙しているようで痛かった。


流れない涙をぐずりながら袖で拭う。

いつのまにか彼は私の前に立って
私を見降ろした。

よくわからなくて、私も立とうとした。
砂がやけにからみつくような心地がした。

立ち上がった私の左に彼はいて
抱き寄せようとしてくれた。

私が離れようとすると
腕を掴んで指を絡めた。

いつもは前を歩く私が
初めて彼に手を引かれた。


車に戻って
ドアを開けてくれて
乗り込んで

涙が止まった。
パニックで
なにしてんだろうって。

ごめんなさいと謝った。気がする。
あまり覚えてない。


謝らんでえぇ。泣いてもえぇよ。
そう言って髪をなでる彼の手もやっぱり暖かかった。


ふいに彼が話しだした。
「俺、親切な人でもえぇよ。」


何かがきれたようにまた私はぐずった。
ばぁやのこと、先生のこと、彼のこと、
よくわからないけれど全部が全部哀しかった。

ひとりぼっちが、つらかった。


泣いて震える私を
彼はきつくきつく抱きしめてくれた。

何度も名前を呼んで
両手でぎゅうっと体温をわけてくれるみたいに。


あたたかかった。
びっくりするほど、私の求めていたものだった。

肩に、腰に、触れて力を込める手が愛おしくて
でもそれと同時に苦しくて、申し訳なくて

何度もその温度を押しのけた。

でも何度も抱き直してくれた。



「俺は絶対消えない。」
そういう彼に、
「そんなのわかんない。いつ灰になるかなんて。」

それで彼はわかったようだった。
少しの沈黙の後

「俺いてないほうがいい?」
「邪魔ならもう消えるから」

そこでうなずけばいいのに
弱い私はできなくて、関わらなければ良かったのにって
そう言ってまたぐずるしかなかった。


帰りの車内、
彼から切り出した話、
私のインスピレーションは的中。

自分が怖いのと同時にすこし、安堵もし、哀しくもあった。
事実にではなく、関係性というか、理由がわかったことに。



途中コンビニに寄る。
少しメイクを直しに見た鏡の中の自分は
見たこともない顔をしていた。

意外にメイクは崩れていなくて
それがまた自分のあざとさを嫌に露呈した。


せめてものお礼。
水とお菓子を買っていく。
ミントのガムと迷ったけどチョコレート。

後で気がつく。
彼は甘いものが苦手。



コンビニの駐車場でまた話す。
彼は言った。
「昔付き合ってた子でリストカットする子はおったけどなぁ」

私、そういう類の人間に見えてるのかって思った。
そんなのと一緒にしないでよ。
瞬発的にそう思ったじぶんに苦笑した。

大丈夫や。
彼はそう言った。


少しして家の近くまで送ってくれた。
私が泣いた日にはいつも
家までの距離が縮まる。


家について見たメールには
またな。って書いてあって
返せなかった。


きっと今消えた方がいい。
どのみちさよならは見えている。



今日もきたメール。
数時間迷って、結局返信してしまった。



2年だ。たかが2年。
そう思ったからだ。

誰かと別れを口にして、いざ離れて、それを消化する期間。
今までの感覚からだいたいわかっている。

2年苦しめばいいだけだ。
今度もまた。


だから今はこのままで、
彼がいいというのであれば、このままで。

私はどうしてもあの体温を手放せない。
優しいまっすぐな彼を手放せない。

今度は2年で済まないかもしれない。
でもいいんだ。


いいんだ。


彼にとって私が誰かの投影でも、
私にとって彼が一時の癒しでも、
そこに需要と供給が交わる間は、

一緒にいたっていいでしょう?



あの人はなんて言うだろうか。
相変わらず不器用だなって、笑ってくれるだろうか。
2010.09.28 Tue 「 どうしてかな。未選択

また一人、大切な人を失った。


大きな、人だった。

高校の放送室
何時間も話をした。

自分が何者なのか。
何を考えていて、どこに向かいたいのか、
それすらもわからなくて
足搔いて、もがいていた時に
唯一差し込んだ自分に向かう光だった。


思い出すのは
困ったように笑う彼と
私を見るまっすぐな目の力。


人のことばっかり、心配して。




なんでよ。

これから先も、
変わらない朝がきて、
指し棒ふりまわしながら廊下歩いて、
でっかい声で授業して部活して、

そうやってまたあの笑顔で
過ごすはずだったでしょう?


早すぎるよ。

早すぎる。



もうすぐ、会えたんじゃん。

ちょっと照れ臭いけど
でも挨拶ぐらいはしに行こうって、思ってたよ。


先生、
あたしこの学校で、この学部来て、
今こんなことやってるよ。

未だにけったいな性格は変わらないけど、
なんとかやってるよ。

ときどき先生のこと思い出すよ。
職員室とか放送室とか、
喋ったこと、あたしに先生が言ってくれたこと
けっこう覚えてたりすんだよ。

って。



きっと先生笑うんだ。
「よかったな、諦めなくて。」
きっとそう言ってくれるんだ。

頑張る私が好きだって
逃げない私が好きだって
言ってくれたから。

「彼氏できたか?」
「はやくつくれよ~」って

そんなことも言うんだろうね。

「相変わらずだなおまえは」って
苦笑いしたりも、するんだろうね。


ねぇ、
先生はたくさんあたしを救って、
きらきら輝くほうへと導いてくれたけど

あたしは先生になんかしてあげられたかな。



何時間も面談で喋ったり
部活の事まで面倒みてもらったり
授業サボったあたしを必死で探してくれたり

今思えば
きっと問題だらけの生徒だったね。

たくさん心配かけて迷惑かけたね。



もぅ、会えないんだね。




先生がいなくなった日ね
あたし学校で何も知らずに授業受けてたの。

大嫌いな講師の英語。
なんだかわからないけど途中からずっと
嫌に強烈に、この人死ねばいいのにって思ったんだ。


あんな感覚ははじめてだったよ。

不思議だった。
私は人のこと嫌いでも、死に執着して
絶望したり軽蔑したりしたことなかったから。

だけどあの日はなんだか違ったんだ。
後付けかもしれないけれど、
なんだか少しおかしかったんだ。


先生は死ぬ前に何か想ったかな。
奥さんと子供のことかな。

それとも階段を踏み外したみたいに
プツッとこの世界から断絶してしまったのかな。



先生、
私の今の将来の夢は、本を書くことです。

エッセイ、小説、評論…
なんでもいいんだ。

あたしはあたしの言葉を、残しておきたいんだ。
自分が消えるのは怖くないよ。
死ぬこともそんなに脅威ではないよ。

誰かがいなくなることと
いなくなった後に誰かがどうしようもなく悲しむことが怖いだけ。


先生
いつかまたどこかで会えたら
またあたしの名前呼んで
困ったように笑ってね。

今のあたしをつくってくれたのはあなただから、
消える時にもきっと会えるはずだよね。


ねぇ、声が聞きたいよ。
2010.09.26 Sun 「 今度は未選択

私はズルい。

彼に忘れられないように
彼が忘れられないように
たくさんの故意のきっかけをたくさん落とす。

彼は何も知らず
それをいちいち拾っては自分で抱え、
今はだいぶん、重くなってきただろう。

まるで悪魔だ。


ドラマみたいな展開
どこかで、造りたいと躍起になっている自分がいる。


私は
相手に悟られず無難に
他の弱い場所、弱い人へと
責任転嫁するような
そんな説明がひどく得意で。

それはさも事実でどうしようもないことのように
即席のその場のシャベリは
つらつらと口をついてでる。

憎らしい。


身体さえも言い訳とアリバイと嘘の真実のために
自分で傷つけてみたりする。

声も表情も顔色も、
発作も発疹も、
すべてほとんど思うがまま。


でもね、
なにもかもコントロールできるようになって気がつく。

自分は何がしたいんだろうか。



手を伸ばせば手に入るものが
ゴロゴロと転がっていて
でも手にしたいと思えない。

気が向いて手に入れてみても
今一つ、満たされない。

それどころか、
自分が望んでいたものは
これでもなかったんだと。
では何なのか、と。


またスタートにもどる。
やりきれないストレスだけを増やして。


ふりきれない過去。
他人への絶望。

こんな私は
きっとほんとにいなくなったほうがいい。

だけど自分では自分を消せない。
それがあたしの弱さだ。


消えたいのに、
誰かの中に残りたい。

あたたかな体温を
どうしようもなく恋しく愛おしく思って
求めようとしてしまう。

相手を振り回して、
追いかけられれば振り切って
去っていこうとすれば振り向いて


いつも、
怖くてしかたがない。

明日あたしの傍には
いったい誰がいてくれるのか。

この先いったい誰が
あたしのこと愛していると涙してくれるのか。




次で最後だ。
最後は何と言うのか。
自分の中で自分をほとんど支配している「わたし」は。

出会ったころはじりじりと痛かった日差しも
いまはやんわりと和らぎ
まとわりつく湿気の多い空気も
乾燥しスッと横切るようになった。

秋の気候は
どこか1枚纏ったようにスモーキーで

別れにはもってこいだ。


いろんなもの有耶無耶にして
ぎゅうっと締め付けられる心臓の横や
ドクンと波打ち頬が上気する鬱陶しいやらしさも

ぜんぶ
冷たくなった風でクールダウンして
忘れるんだ。


ちゃんと離れてあげないと。
もともとこんなに深入りするつもりもなかったんだ。

ただ、
彼があまりにもあたたかかったから、
すこし寄り道して、ひなたぼっこしたくなってしまった。

迷惑な話だな。


これ以上甘えちゃいけない。
というか、付け込んじゃいけない。


サヨナラするんだ。
もう限界だ。


自分は誰かを幸せになんてできないんだと
思い知らされ続けるのは

あまりにも辛い。



2010.09.07 Tue 「 未選択

彼の手はあたたかかった。すごく。


2回目のドライブ。
きらきら飛び立つ飛行機を見に行った。

途中まで
いつものように話をして、
ある瞬間から苦しくなってきた。

過去に何かあった人間を演じたくて
勝手に作っていた影。
なにもないわけではなくても、
ほんとはたいしたことじゃない。

でもどうしようもなく、苦しくなってきて。
外で一定のリズム刻んで光るストロボが
またそれを引き立てて、
とまらなくなってしまった。


自分自身の過去なのか、
自分自身が作り出した過去なのか、
もう錯乱状態で、
呼吸が浅くなって、頷くしかできなくなって、
鼻の奥がツンとした。
目がいたくなってくる。

そんな私に
少しして彼は気がついて、
肩にあたたかい手がふれた。

振り向かせようと力のこもるその手に
必死で抵抗して、
涙なんて流すまいと、でもなんだか無性に泣きたいと、
そんなことを思った。


そんなこと何分か繰り返して、
ハッとして、
錯乱状態から少し離脱してきて、
今度は自分が嫌になってきた。

優しい彼がいたかった。
付け込んで、演じて、利用する自分に、
もうどうしようもなく過去のループを感じずにはいられなくて、
情けないのと、どうしようもない自分の弱さにうんざりして、
涙があふれそうになる。



でも涙は流れてはくれなかった。
いつでもそう。

私が私に本気にならないと、涙なんて出ない。
ただ泣くことすらままならない。


帰りの車内では
彼は必死で、私の機嫌なおそうとしたり、謝ったり、
肩に、腕に、頭に、
触れる手はやっぱりあたたかくて。


でも変な感覚だった。
子供に戻れたような気がした。

安心して、拗ねたり、怒ったり、できる。


途中車内でピアスの話、
見えないからって近づいた時、
ドキドキした。
嫌だったけど嫌じゃなかった。


でも怖いんだよ。
ほんとはあたし、可愛くないよ。


夜だから会える。
面と向かわないから話せる。

じっくりと話して、面と向かえば、
あぁ、勘違いだったんじゃんって、
思われるのが怖い。



きっとまたひとりになる。
ひとりにするのは彼じゃない。

いつだって、
私が私をひとりにしてる。



ごめんね。ごめんね。
また、人を傷つけてしまうんだね。
あたしなんて、いないほうがいいのに。
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