終わりが近づいているサイン。
相手が私を、自分のものにできるかもと
かすかな確信を抱き始める。
今までのと比べられたくない。
一緒にされたくない。
のめりこんだり振り回されたりしたくないし
見透かしたように笑われたくない。
できればそっと
目を閉じて何もないところへ
ふわふわと落ちていきたい。
好きなら殺せる?
そう言って急に消えれば
彼はあたしを殺しに来るかもしれないと
そんな気さえする。
怖くはない。哀しくもない。
全てがどこか、自分の計算通りに動く。
彼はつじつまの合わないのが納得いかない人だから
もどかしさが癖になる。
時々「そうか」という感覚を覚えるように
作り上げた悲劇の過去を小出しにする。
少しずつ自分に向かうベクトルが
大きくなっていく感覚がやたらに気持ちいいんだろう。
まるで麻薬だ。
そして
自分の能力に愕然とする。
これは魔力のようで
でも私自身が一番取りつかれている。
思うように事が運んで
イレギュラーな出来事と相手の感情にも
ほぼ完璧にふるまえる。
体温と涙を味方につけて
あとは相手の出方次第。
でもいったいこれがなんなんだろう。
一種のゲームのような
一幕の舞台のような
終われば変わらない日常があって
ときには曇って雨が降る。
自分を保って
見捨てられないで
ただ愛を送ってもらうための
代償を払い続ける。
さながら風俗嬢の気分だ。
大切な何かをお金という媒体に変えてしまったら
あとはなにか吹っ切れて
ただの妙な安心感と閉鎖感、あとは自信が生まれる。
私の場合、媒体は金にさえなっていない。
何になっているのかも定かでない。
一時のあたたかさだけだ。
なまぬるい甘やかしだ。
未来なんていらないし、そもそも未来なんてない。
未来なんて、あってたまるか。
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