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あたしはまだ今かろうじて十代で、
世間では若いとされるんだろうけど、
でもきっと
あたしに限らず誰だって
同じように残された時間は短いんだと思う。
このページがあたしの遺書となるように
ちゃんと残しておこうと思う。
急に心臓が止まることだってありえる。
宅急便のおっさんに刺されるかもしれない。
そういやいつも来るあの人、ちょっとヤバいかんじはある。
家を出たそのときに、バイクか車かバスかトラックかに、とばされるかも。
死なんてありふれている。
自分が死ぬことが、怖いんじゃない。
誰かを殺してしまうことが、怖いんじゃない。
人が死ぬ、その事実が、怖いだけ。
耐えられないほどに、ただ怖い。
あの日の炎の音、
重い扉の向こうに聞こえた、冷やかな炎の地響き。
ずっと頭の中にある。
あたしもいつかは
あんなふうに白くなるんだな。
今日は電車に乗った。
さくらが咲いていた。
こんなに忌まわしい桜は初めてだった。
早く雨が降ればいい。風が吹いて、なくなればいい。
季節なんて変わらずに、時なんて流れずに、桜なんて、咲かなければいい。
あたしには春は、しばらくきそうにない。
そういえばあたしには夢が
けっこうたくさんあったんだ。
実は、カウンセラーになろうと思ったことがあった。
でも
自分のカウンセリングで手がいっぱいだから
これ以上だと崩れると思ってなかったことにした。
実は、作家になりたかったんだ。
文章綴って、なんか自分は違うんだって認められたかった。
でも
結局自分はニホンジンで、下向いて歩くだけなことわかったから
それもやっぱりなかったことにした。
それでやっぱり、
クリエーターになりたかったりもしたんだけど、
男社会だし、年齢限られるし、25時間労働だし、実力評価だし、
そうやって言い訳がいっぱい見つかったから、
かっこよく捨てることにしたんだ。
かっこわるいね。
あたしはなんだかんだ
自分を偽り続けてきた。
誰かの期待するあたしでありつづけようとして、
がんばってみて、それなりにうまくいった。
でも、
あたしはあたしじゃなくなって、
中身はぐちゃぐちゃになった。
スイッチが切れた瞬間、
話すことさえできなくなる。声が出ない。
病名が知りたいわけじゃない。
だいたいの見当はついてるから。
あたしが欲しいのはそんなもんじゃない。
そんな冷やかなものじゃない。
あったかいもの。
求めすぎなのかなぁ。
そんなもの、ないのかなぁ。
もう少し、馬鹿でいたかったな。
昔とおなじことやってる。
きっと今度も苦しむ。
もしかしたら事件に
巻き込まれたりとかするのかもしれない。
でも、
今のあたしはきっと、さみしいんだと思う。
だからまたこんなことしちゃってる。
彼とさよならしたとき、
言ってたのにな、彼は。
俺みたいに安全な人間ばっかじゃないんだから、
簡単にいろいろ、情報渡しちゃいけないんだよ。って
でもね、
今度は前とは違うよ。
あなたとは、違うよ。
あなたは、
顔が見たいって言う前に、声が聞きたいって言ってくれた。
あたしのこと、いろいろ聞き出そうとはしなかった。
ねぇ、
あたし、どうなっちゃうのかな。
もしかしたら奇跡の出会いだったりするのかな。
そんな、ね、
ありえないのわかっていても進んでしまうのは
さみしいから。
遺書とか、ちゃんと、用意しなきゃだな。
人っていつ死ぬかわかんないんだから。